幼少期の話

ただわたしは、親に認められたかった。

結果が出せなくても、努力できなくても、頑張れなくても、「あなたはこういうところがある。そういうところが良いよね。」など、言って欲しかった。

 

うちは父、母、兄、わたし、弟の5人家族。

昔は父も母も大好きだった。兄は少し歳が離れており、あまり構ってくれず、まるで一匹狼のようだった。弟は、年子でよく喧嘩ばかりしていた。

ある日、父の会社が倒産し、父は上京して出稼ぎに出ることになってしまった。

父が家を出なければ、もしくは父について家族で上京していれば、わたしはもっと変わった生き方をしていたのではないか、と思う。

わたしが小学校に上がる前の5歳に満たないこの日から、わたしたちは東北の田舎で、4人で暮らすこととなった。