自信が持てない話

「自分が世界の中心にいるのではない」と気付いて、小学校にあがった。

親の一番はわたしだと思っていた。だから家族に向かっては自分が何を発言してもいいと思っていた。その中では許されると思った。だからこその自己中発言と、その性格だった。

外では、人見知りを発揮し自分のことをうまく表現できず、自分のこと、自分の意見を伝えることができなかった。優柔不断で何も決めることができない。物心ついた頃から、なぜだか「正解以外のことは言ってはいけない」と思っていた。正解かどうか自信のないことは、何一つ言うことができなかった。わたしには、それが全ての物事に適応された。今でも苦手だ。

「何して遊ぶ?」と友達と話すときも、相手に決めてもらうことが多かった。「たまにはあなたが決めてよ!」と言われても、「お絵描きするか、かくれんぼするか……」で悩んでしまい、結局決められず夕方5時になり家に帰らなければならなかった程だ。それ程にわたしが「選択する」ということに自信が持てなかった。

また、自分のことを言うのも苦手だった。否定されるのが怖かった。ガラスハートでとても傷つきやすい。否定されてもされなくても、すぐに泣いてしまった。

「否定されて傷つくぐらいなら、わたしが選ばなくてもいい。わたしが選んだものに自信は持てないし、あなたが選んだものでいい」と思うようになった。次第に、「どちらでもいいよ」と相手に任せ、自分が何をしたいのか分からなくなってしまう。成長過程で、「どちらにもメリットはあるし、デメリットもある。別にどっちでもいいな」と思うようになった。でも、どちらかには決められないのだ。

今では、あの時から「認められたらよかった」のだと思う。特に苦手な「選択する」ということを、もっと教育されればよかったのだと。「あなたの選択は、何も間違っていない。何かしたいのなら、それをすればいい。それをすることは間違っていない。」と、周りの大人から認められたらよかったのだ。そうして、少しずつ「選択する」という苦手を克服できればよかった。それに気付いたのは、わたしが高校を卒業した18の春だった。